ミニアルバム『POWER FOR LIFE』各曲について
2011年12月7日にリリースしたi-nosの『POWER FOR LIFE』について、各曲を語りました。
東日本大震災を機に制作・配信された「雪になっても 桜になっても」、
被災地で制作の「power for life ~願いのちから~」「花が咲くように」、
i-nos出演舞台「ストラップ」の主題歌「strap!」を収録した全7曲入りの震災復興支援ミニアルバム。
■1. 雪になっても 桜になっても■
回想部分は、その暮らしを破られた悔しさからくるもので、失った命への弔いでもありますが、
生き残された命が せめてもの希望や願いを唱えることは決して穏やかなものではないです。
悲しみよりも深い「悔しさ」と「怒り」の塊(かたまり)に由来します。
この歌に穏やかな気持ちはなく、後半はその怒りがピークに達していきます。
ときに化けて命を脅かし 命や生活を奪う自然、大切なものを奪われた時 神と呼ばれる存在にさえ怒りをぶつけることは本当の心理だと思います。
そして、これから何十年何百年と汚染が続くことの悲しみは「悔しさ」と「怒り」以外の何者でもない。
瓦礫の中で雪に降られ たたずむ命が叫んでいます。
震災当日、被災地では雪が降っていました。
もうすぐ暖かな桜の舞う春がやってきます。
そして梅雨が来て、紅葉の秋風に吹かれ。
もう暫くはそんな季節など感じていられることはできないでしょう。
汚された空気の中、どんなに美しい星空でも安心してみることはできるのでしょうか。
それでもまだどうにもできないパンドラの箱を動かそうとしている。
失ったものは決して失ってなどない。
雪になって、桜になって、雨になって、風になって、
季節を通じ いつでも触れ合っていられる。
汚れのない澄んだ星の明かりを浴びられるときがくるよう、
子供たちに受け継ぎ、子供たちを守っていくことでその先の希望が叶うよう、
その連鎖を大人が築いていかなくては。
■2. power for life ~願いのちから~■
現実社会と希望の歌。たくさんのシンガーさんに参加してもらっています。
どんなことがあっても 人は生きている限り生きていかなくてはならなくて、
なんとか生き抜こうとする人生に必要のないはずの事実が起き、
どこまで信じられるのかわからない情勢に惑わされながら それでも日々を歩んでいく。
いまこのタイミングで社会が生まれかわらないと、地球規模でその先がみえないものに変わってしまう。
なくしてしまった大切な人や大切なモノ、そうなってしまったコトを無駄にせず、
人々が手を取り合って地球を守る意識を高めて、それに立ち向かっていけることを信じて希望にしていく必要があると感じます。
街の明かりが暗いのは、人々のきらめきを蓄えているからなんだ。
「人類の夢」を諦めずに共有していこう。
■3. 花が咲くように■
花が咲くように笑って
またこの地に花が咲くよう祈って
汚れのない空気の中で花が咲くよう願って
思い出の場所に花が咲きますように
あの人とみた花が咲きますように
たくさんの人の心に花が咲きますように
■4. もしもわたしの存在が消えたら■
この楽曲を収録することに暫く戸惑いを感じていました。
人は いつでも命という魂(たましい)と向き合って生きています。
命は重くて尊いものなのに、ロウソクの火のように絶えます。
病院で父の死を目の当たりにしたとき、何もしない医師に取り乱しました。
人生には「生かされること」と「生かすこと」が存在していて、それは「生きること」に比例するものでもないんです。
生きたいのに生きられないこともあります。
「存在」とは、必ずしも命だけのものではありませんが、
大切な人の前から姿を消さなくてはならない人の心理はどれだけのものでしょう。
■5. まっすぐに まっすぐに■
これもまた地球規模の歌をさりげなくつくりました。
人ひとりにとって地球はとても大きなものだけど、人類は簡単に地球を汚すことができてしまう。
汚したら簡単に元に戻せません。
科学が発展して人工的に作り出せるエネルギーが開発され、
しかしそれが人類を苦しめてしまうものだとわかっていても、大人の事情で解決できないなんてね。
現世が蒔いたこんな種を、子孫にどうしろというんだ。新たに生まれる命に託すものって何なのでしょうか。
この地球を安心できるものにしていかなくてはならない。後世のための人々の愛を。
安心して恋愛もできないなんてさ。
■6. strap!■
i-nos出演の舞台「ストラップ」のメインテーマ。舞台音楽をhotta、劇中振付を綾が行いました。
30曲くらいのSEやBGMを制作したのですが、メインテーマがほしいという話になり かきあげた楽曲です。
ダンスが主体のお話だったので、曲調もそれに合わせたスタイル。綾に歌ってもらったということもあって、自然とi-nosの楽曲になっていました(笑)
演出家がつけた舞台のタイトル「ストラップ」には さほど意味を持っていなかったようなのですが、
台本を読んでとても意味を感じていて、
希望という同じ一つの目標に大勢の人たちが向かっている様を、
携帯電話にたくさんついているアクセサリーに見立てました。
そのアクセサリーは寄り添いながら目標に向かって一つにつながっているという、
この方向性が丁度このアルバムのコンセプトにリンクして収録にいたりました。
余談ですが、舞台の演出家にhottaの解釈を話したところ、
「あ、それいいですね。それでいきましょう。」と言っていたのがウケました。
希望に向けて生まれ変わろうという歌で、挑む勇気を胸に 飛び立つためのパワーソング。
実は一度ボツを喰らい2曲目のメインテーマですが、詞はそのままはめ込んでいます。
■7. power for life ~願いのちから~ (acoustic version)■
2曲目の「power for life ~願いのちから~」をアコースティック風に。
間奏のビートボックスもかっこいい。
このテイク、参加者のおかげで全編通してかなり聴き入ってしまいます。
2011年12月7日リリース
¥1,500(税込)/ QWCB-10025
販売元:ポニーキャニオン
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